そう言えば、今日みたいな日って、体育祭やったりするのか。
窓を開けると、近くの中学校から、何かをしていて誰かを応援する歓声が私の家まで聞こえて、たった1人、何もしてないわたしも、その歓声に参加しているような気持ちになる。
あのころは、誰かが1位になったか、ビリになったかで、誰かが泣いたり、笑ったりしていた。
いまは、全速でたくさんの人のに囲まれて、円を走るなんて、無いな。
線路の音とまざって、遠くの方で雷と、鉄砲の音が聞こえる、誰かが走り出したり、綱を引っ張ったりするんだろう。
へやで、授業を受けながら、心は完全に知らない中学の体育祭になっている。
あの頃も、私はアパートから覗く体育祭と同じ立ち位置で、楽しんでいたように思う。
小さな雨が、目に見えて、秒速で大きくなっていき、雷がゆっくりと近ずいて来ている。
雲が大きく膨らんだり離れたり、その隙間から見える光に、季節を感じて、すこし、嬉しくなる。