恋人の家で寝ていて、年に一度あるかないかで起きる、すごい偏頭痛で、お母さん!と叫んで目が覚めた。
その後Sくん、Sくん、Sくん、Sくん、と、彼が起きるまで、呟いていた。
コンビニって、ロキソニン、売ってるかなぁ調べてくれる?、ほんとごめんね
ないみたい
まあ、とりあえず行ってくるよ
Sくんは家を出て、ロキソニンを買ってきてくれた。
薬を飲んで、私は効くまで、そして、頭の違和感が消えるまで、ぼーっとしていた。
Sくんは帰ってきてすぐ、また、眠った。
苦しんでる人を前に、冷静にするべきことをして、それになんの下心もない人を私は初めて見た。その事に気がついて、感動して、感謝して、2人で喜んだのは、私たちが目覚めた時夕方の事。
この、丁寧に包装されて、リボンで飾られた箱のような空間の中で私たちは過ごしている、誰にもほどかれないように。